この記事では自動車板金塗装でレストア作業や高級車の鏡面仕上げ、塗装と磨きの手順と注意点について書いています。
自動車板金塗装 鏡面仕上げ 塗装と肌だし、磨き、注意点について
塗装について
塗装塗膜
カラーベースの保護:
鏡面仕上げでもカラーベースやソリッド仕上げならば下地(サフェサーなどの紫外線に弱い下
地塗膜)の保護膜厚は残さなければならない。
肌出しに必要な塗膜:
カラーベースを保護しながら鏡面肌を作る為の膜厚も必要、クリアの回数で言えば1回程の
膜厚があれば肌は作れる、
肌が荒れていればさらに多くの膜をサンディングする事になる、
荒れてしまったりカラーベースが厚い場合はクリアも2回塗りした方が間違いない
近年のスーパーカーなどは多少ラウンドが残っているので
普通のカラーならば1回のクリア塗装でも十分な保護塗膜と肌出しに必要な膜厚は確保できる
ただし日本の国産塗料のクリアなどは2回塗りを前提に考えた方が良い
ラウンド(塗装肌)について
塗装肌:
鏡面仕上げの塗装肌、理想は細かいペーパーで肌出しが終われるように、ラウンドは小さい方が良い
ペーパーで肌出しする為に多少の厚塗り思考になりがちだが、塗装膜を気にして肌が大きくな
るよりも、塗装肌が細かい方が膜厚は残りやすい
保護膜厚が残るように細かいラウンドで多少膜を付けるのが理想
塗装肌が大きいと粗い番手のペーパーから肌出しをしなければならない為、ペーパーでの肌出
しや、磨きで塗装が剥げてしまうリスクが増える。
肌だしの方法
近年の鏡面仕上げ(多少ラウンド有)
高年式の高級外など:
コバックスのトレックスディスク1500番などで機械で肌を落として行くと良い
1500から5000まではペーパー掛けした方が、磨きが楽でトラブルが少なくて良い
機械が入らない部分はトレカットで落として行くが、番手は細かい方が良い
3000番などで肌が出れば3000を使った方が先が早い
2000でも良いが細かい部分を何度もぺーパー掛けするにもリスクなので
3000番から3Mトライザクト5000番などが理想的
レストアなどの旧車 鏡面仕上げ
旧車やハイレストアなどで全く肌を残さない為には、塗りを細かくする必要に加え
クッション性の無いアテギなどを使い水研ぎ、もしくはペーパー自体がかなり張りのある物
を使い完全に肌を消していく必要がある
クリスタルブロックやペーパーではコバックスのPOMMAXなどが張りがある
文字で書くには難しいが、外資系クリアで国産車程の小さなラウンド肌を
塗装出来ていれば、上記のトレカットでも出来るが
肌が大きい、クリアが固いなどで上手く出来ない場合1000番から1200番
のペーパーで落として行くと良い、その後の流れは上記と同じ
磨き
バフの選択
バフの選択:
上記の肌出しの方法だと、既に肌は出来ているので磨きはキズを消すだけで良い事から
羊毛などの肌が落ちなくキズのみ消えるようなバフが良い
肌が落とせるようなバフは必要ない事になる
ケイテックのメリウールなどがオススメ
傷消し後はスポンジやギアアクション、ダブルアクションなどの動きをする工具で
仕上げていけば良い
コンパウンド
コンパウンド:
コンパウンドに関しては使用クリアにもよるので、これが良いと言うことは言わないでおきます
が、なるべく熱が入らないで磨ける方が良い
通常、肌を削る目的でスタートする磨き作業ですが、ペーパーで肌を出しているので
わかり易く言葉にすると、コーティング屋さんが行う磨きで良い
ペーパー傷の確認方法
ペーパー傷の確認は理想では太陽光よりも強い光で見る、
ブルーやオレンジなど色々な色温度と光源で確認出来ればなお良い
高い色温度で確認する場合はスカシ方向(斜め横)から良く眺め傷を見るようにすると
見えやすい、LEDや水銀灯、ハロゲンなど色とシーンによっても見える事や見えない事が
あるので、
朝日、太陽光、ガレージやショウルームの光源を再現して確認すると間違いない
鏡面仕上げについてのまとめ
・塗装塗膜は保護膜厚を確保する
・塗装のラウンドは小さく、多少厚くする
・肌出しは空研ぎで
・磨きで落とせる肌で鏡面にするのはリスクが高く効率的では無い
特殊な内容ですが
簡単に説明してみました、この記事に関心があれば
今後さらに詳しく書いてみようと思います。
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