この記事ではサンディングからの脱脂から塗装への流れについて書いています。
自動車板金塗装 脱脂から塗装まで
脱脂とは?
脱脂の基本概念
- 定義: 脱脂は表面から油脂や汚れを取り除くプロセスで、清潔な表面を確保し、塗料やコーティングがしっかりと密着することを目的とします。
- 手法: 一般的に、脱脂は適切な脱脂剤や洗浄剤を使用して、表面を拭く、洗浄する、または噴霧するなどの手法で行われます。
脱脂の重要性
- 密着性の向上: 脱脂によって表面から油分や汚れが取り除かれ、ペイントやコーティングが素材にしっかりと密着することができます。
- 均一な仕上がり: 脱脂が行われない場合、塗料が不均一に乗り、仕上がりが汚くなる事があり脱脂により均一で美しい仕上がりを実現できます。
- 耐久性の向上: 脱脂が不十分な場合、塗膜が剥がれやすくなり、耐久性が低下します。良好な脱脂は耐久性が向上します。
- 錆や腐食の防止: 特に金属表面において、脱脂は錆や腐食の発生を防ぎます。表面が清潔であることは耐候性を向上させます。
脱脂のプロセス
- 表面の清掃: 表面に付着した塵や汚れをエアガンなどを使用して取り除きます。
- 脱脂剤の選定: 使用する素材や塗料に適した脱脂剤を選定します。一般的に、低挥発性の脱脂剤が好まれます。
- 均一な脱脂: 汚れを取り除く際に均一な力をかけ、全体的にきれいな表面を確保します。
脱脂の注意点
- 適切な脱脂剤の選定: 使用する素材や塗料に適した脱脂剤を選ぶことが重要
- 十分な時間をかける: 脱脂には時間がかかることがあります。急いで行うと十分な効果が得られない可能性があります。
良好な脱脂は自動車塗装プロセスにおいて基本中の基本であり、このステップを怠ることなく丁寧に行うことが良い仕上がりを実現する鍵となります。
サンディングからの脱脂
とにかくトラブルを防ぐにはしっかりエアーブローする事
サンディングの粉の除去
パテの粉、塗膜サンディングの粉の除去 小さいピンホールなども見逃さずにブローで粉を抜く
以前 水研ぎはトラブルの始まりと書いた事があるが、大きな原因の一つにこの粉の除去が出来ない事がある、研ぎ汁に粉が細かく混じり穴が埋まってしまい、洗い流す事も出来ない為
塗装乾燥後に凹むからである
先の細い強力なブローガンが良い
なるべく強い方が良い、先端にエアーを増加させるパーツなども使用するとさらに良い(3Mから販売されている)
トルネードの様な回転で静電気が起きてしまう物は脱脂ブロー作業には使用しない方が良い。
季節、素材によりイオンブローガンも使用
乾燥シーズンやPPバンパーなど静電気によりサンディング粉を上手く除去できない時はイオンブローガンで行うのも効果的、ただし細かいパテ等のピンホール内の粉についてはブローの幅により除去しずらいので注意が必要
水性塗料と溶剤塗料との脱脂手順
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水性 溶剤対応スプレーボトル
ハイドロワイプ:拭き残し軽減 ゴミも少ない
ポンプスプレーは範囲が大きい時のみ直接スプレーしないでウエスにつける
溶剤塗料 塗装の場合
溶剤の場合:水性脱脂~溶剤脱脂
水性脱脂剤は特にメーカーなど気にする事は無い
ポップアップ式ポンプなどでボディやパーツにかけても問題は無い
水性塗料 塗装の場合
水性の場合:なるべく揮発の早い溶剤脱脂~メーカー指定 水性クリーナーが良い
溶剤脱脂剤が遅いとサフや塗膜の中で抜けない事がある溶剤の跡にブロースタンドなどで揮発を
促すのも効果的だが塗装前の段階ではなるべく揮発が早い方が無難
水性脱脂剤は塗料メーカーのものが良い、他メーカーを使用するとハジキの原因になり塗料が載
らない事がある。水性塗料が水に近いほど起こりやすい。
脱脂 注意点 必ず 乾くまで拭き上げる
水性、溶剤脱脂剤 共に濡らして油分を浮かび上がらせ綺麗ウエスで拭き上げる
濡らす側と拭き上げ様 二枚は必ず必要 汚れから即交換 脱脂の意味が無くなってしまう
拭き上げも横に濡らしたら縦に拭き上げるなどクロスさせた方が効率的
脱脂まとめ
簡単な作業の様でとても大切な工程
必ずペインター自身で行った方が良い他人に任せるような単純な作業では無い
仕上がりや品質に大きく影響してしまう
塗れた状態でフィニッシュするのもNG 必ず拭き上げで乾かす事が重要です。
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